Every Body's Knowledge Note
医療

HRTと更年期障害


目次

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、思春期から閉経までの間卵巣から活発に分泌される物質。その働きによって、月経が起こり、妊娠や出産が可能になります。また、女性ホルモンが正しく分泌されることで、肌や髪を若々しく保ったり、血管や骨を強くするなど病気から守ってくれる働きもあります。

エストロゲンとは

エストロゲンとは生理後~排卵期に向けて増えるホルモンのことです。自律神経を安定させる働きや、女性としての魅力を高める効果があります。HRTはその急減した女性ホルモンも少量を担う治療法なので、こうした不快なホットフラッシュの緩和には最も効果がありますその弛にも不眠やイライラ、疲労感、うつ気分などの症状が改善したという報告もあります。

プロゲステロンとは

プロゲステロンとは体温を上げるなど、妊娠を維持する作用のあるホルモンのことです。排卵期を過ぎると分泌され、体や気分を重くさせることもあるのです。女性ホルモンは脳の視床下部と下垂体から指令が出され、卵巣から分泌されます。同時に卵巣からも視床下部へ情報が伝わり、ホルモン分泌の微調整が行われます。

つまり、脳と卵巣は連携して女性ホルモンを分泌していて、ストレスで脳からの指令が乱れたり、卵巣の老化などにより脳からの指令に応えられないとホルモンバランスの乱れを招きます。肩こりもHRTを続けているうちに改善しました。というような声もよく聞かれます。 HRT自体に肩こりの改善作用はありませんが、ホットフラッシュの改善に伴い、精神的な緊張が解けることで肩こりの症状まで改善するのかもしれません。

このようにHRTには複雑に絡みあった更年期障害の症状の悪い連鎖を断ち切ることにより、全身の状態が改善する効果も期待できるのです。20代~40代前半の女性は、ストレスや不規則な生活などにより女性ホルモンのバランスが乱れ、様々な不調の原因となります。また、更年期に入ると女性ホルモンが低下し、更年期障害となって心身に不調が現れやすくなります。
更年期の症状でよく知られているのが急なのぼぜや発汗を伴うホットフラッシュです。

これはエストログンの急激な減少が血管運動をつかさどる自律神経の活動を不安定にするために起こるものです。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、バランスよく分泌されることが大切です。エストロゲンは美のホルモンともいわれ、女性としての魅力を高めますが、このホルモンに関連して乳がんや子宮体がんなどの病気が発症することもあります。HRTとは、このような更年期症状や更年期障害の治療のために、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を、飲み薬や貼り薬として補充する療法です。

肩こりもホルモン補充療法を続けているうちに改善しました、というような声もよく聞かれます。 HRT自体に肩こりの改善作用はありませんが、もっとflashの改善に伴い、精神的な緊張が解けることで肩こりの症状まで改善するのかもしれません。

このようにHRTには複雑に絡みあった更年期障害の症状の悪い連鎖を断ち切ることにより、全身の状態が改善する効果も期待できるのです。更年期症状・更年期障害によく効く治療法として欧米では30年以上の実績があるHRTですが、日本ではまだ抵抗を感じる人が多いようです。

HRTの副作用とリスク

ホルモン補充療法のメリットは分かっていてもそのリスクといわれているである発癌などの問題が明らかにしないいと、やはりその使用に対して躊躇しがちです。そのため発癌などのリスク・デメリットを明らかにすることは、女性が安心して HRT を受けるために重要なことです。

HRTと乳がんリスク

副作用とリスク

ホルモン補充療法の副作用には次のようなものがあります。不正出血、乳房のハリや痛み、おりもの、下腹部のハリ、吐き気等々です。

過去、海外の研究結果から乳がんの危険性が高いなどと一部のメディアで騒がれた経緯から乳がんの危険があるなどという行き過ぎた解釈が生まれました。

しかしその後の研究では、乳がんになりやすい原因は、ホルモン補充療法よりも、乳腺の病気にかかったことがある、乳がんになった家族がいる、最初の出産が35歳以上、出産経験がない、といったことのほうが、乳がん発症の危険性が高いこともわかってきました。

日本では2004~2005年秋に厚生労働省研究班による調査が行われ、過去10年間以内に乳がんの手術を受けた45~69歳の女性と、同世代のがん検診受診者の中で乳がんではなかった女性に対し、HRTの経験など21項目のアンケート調査を行ったところ、前者でのHRT経験者は5%、後者では11%であり、乳がんではないグループの方に約2倍のHRT経験者が多いという結果が出ました。

HRT受ける前に知っておきたいこと

乳がん、子宮体がん、血栓症の経験のある人(治療中を含む)はHRTが受けられません。また、血栓症・心筋梗塞の経験者、心不全・腎不全経験者、原因不明の不正出血、妊娠の疑いのある人も受けることができません。これらの症状がなくとも、60歳以上の新規投与や、子宮筋腫・内膜症・腺筋症の経験者、糖尿病、高血圧、喫煙者は「HRTを避けたほうが良い人」とされています。医師とよく相談して、HRT以外の治療法を選びましょう。HRTの種類にはつぎのようなものがあります。

ホルモン充填療法(HRT)の投与の種類

・ホルモン充填療法(HRT)経口剤

卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤の経口剤には、には、エストロゲン単剤・プロゲステロン単剤・エストロゲンとプロゲステロンの配合剤があります。卵胞ホルモン(エストロゲン)経口剤は、服用 してから腸管から吸収され、肝臓に取り込まれ代謝されます。

・ホルモン充填療法(HRT)経口剤 のメリット

卵胞ホルモン(エストロゲン)経口剤はLDLコレステロール低下、HDLコレステロールの上昇、リポ蛋白(a)の低下、レムナント低下など脂質代謝改善作用があります。また、骨密度増加作用などが知られています。卵胞ホルモン(エストロゲン)経口剤は使用患者数が多く臨床データが多いく、薬価が安価であることなどのメリットがあります。

・ホルモン充填療法(HRT)経口剤 のデメリット

卵胞ホルモン(エストロゲン)経口剤は肝臓で代謝されるため中性脂肪(TG)の上昇作用、血管炎症に促進作用、血液凝固因子上昇などがあります。
また、WHIで心血管疾患、乳がん、脳卒中、肺塞栓患者への影響が指摘されています。
経口剤は、用量調節には粉砕の必要があったり、血中濃度が一定しないなどのデメリットがあります。

・ホルモン充填療法(HRT)経皮剤

ホルモン充填療法(HRT)製剤の経皮剤には、貼付剤(パッチ)や塗布剤(外用ゲル剤)などがあります。

・ホルモン充填療法(HRT)の貼付剤(パッチ)

ホルモン充填療法(HRT)の貼付剤(パッチ)には、エストロゲンとプロゲステロンの配合剤とも含むものとエストラジオール単独のものがあります。
それぞれ特徴があり個々にあったものを選択することができます。貼付剤(パッチ)の使用にあたっては、下腹部や臀部に貼付し、傷がある場所や皮膚炎などがみられる場所は避けましょう。皮膚刺激をさけるために毎回貼る場所をかえましょう。貼付部位は清潔に保ち、水分を十部にふき取り貼付しましょう。

・ホルモン充填療法(HRT)の塗布剤(外用ゲル剤)

ホルモン充填療法(HRT)の塗布剤(外用ゲル剤)には、大腿部あるいは下腹部に塗布するものと、両腕の手首から肩までに塗布するものがあります。貼付剤同様、、傷がある場所や皮膚炎などがみられる場所は避けましょう。

・ホルモン充填療法(HRT)の経皮剤のメリット

ホルモン充填療法(HRT)の貼付剤(パッチ)は、肝臓での初回通過効果を受けないため、経口剤よりも投与量が少なくて済むため、活性が高いものが使用できます。脂質代謝、血液凝固作用などへの悪影響が少ない、肝臓の代謝酵素に影響を与える薬剤と併用できます。また、WHIで指摘されている心血管疾患患者への影響が少ない可能性があるとされています。エストロゲン用量の調節が容易であるというメリットがあります。

・ホルモン充填療法(HRT)の経皮剤のデメリット

ホルモン充填療法(HRT)の貼付剤(パッチ)は、貼付する部位の皮膚刺激症状がある場合があります。とくに夏や発汗が多いと剥がれてしまうことがあります。薬価が高いというデメリットがあります。しかし、経口剤と併用は煩雑です。

プロゲステロンの加齢に伴う変化と更年期の基礎知識

プロゲステロン(黄体ホルモン)の作用

プロゲステロンの主な機能はエストロゲン作用の抑制です。このプロゲステロンは、子宮内膜における増殖・分化、子宮内膜の受容能獲得、着床、子宮内膜間質細胞の脱落膜化、胎盤形成の過程など妊娠の成立・維持に関する役割を担っています。

また、プロゲステロン(黄体ホルモン)が脳の視床下部の体温中枢に作用して体温を上昇させる作用があります。そうして、抗エストロゲン作用により、LPLを活性化し脂肪細胞に中性脂肪を蓄積させることにより、血清中性脂肪を減少させる作用があります。さらに、インスリン感受性を亢進させ、肝臓でのグリコーゲン貯蔵を促進して血糖値を下げる作用があります。その他にも利尿作用や他のホルモンバランスを調整する作用があります。

閉経の機序とホルモンの変化:更年期の基礎知識

閉経のはっきりした機序はわかっていませんが、その中心となるのが卵巣の加齢せい変化であると考えられています。卵巣は、加齢にともない、皮質の萎縮、卵胞数の減少、顆粒膜細胞の機能低下、血管の動脈硬化、間質細胞の萎縮と線維化などが生じ、卵巣の重量も30歳代には平均15gであったものが50歳代になると5gにまで減少してしまいます。

卵巣機能の低下の主なものは、原始卵胞数の減少によると考えれています。原始卵胞の減少のペースが20歳代のままで経過すれば80歳まで保たれると考えられるのですが、原始卵胞の残りの数が約25000個、年齢的には37~38歳を過ぎた頃から予測される速度を超えて急速に減少し、50歳ではほぼ消失してしまいます。

さらに、閉経前後のホルモンの変化をみてみると、40歳代になると無排卵周期が増えてきますが、この時期には卵胞期の延長を主体とする月経周期の延長があり、閉経前2~8年にわたり続くとされています。

この間、FSH値の上昇を認めるが、LH値は正常のままです。E2は卵胞の成長がなくなる6か月から1年前まで正常で、またはFSHの上昇にともない、軽度上昇することがわかっています。FSHに遅れてLHの上昇が始まり、E2値の低下を認めるようになり、閉経に至ります。

閉経期におけるホルモン変化の特徴は、卵巣におけるエストロゲン分泌低下とフィードバック感受性の低下によるLH、FSHの上昇となります。すなわちエストロゲンは全体量が減るとともに卵巣外組織由来のE1が主体となり、エストロゲン全体としての活性は閉閉前の10分の1以下になると考えられえいます。しかし、さまざまなホルモン値の変化をもって閉経を予測することは難しく、閉経前後のホルモン変化のパターンは個人があります。

卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの加齢に伴う変化

下垂体前葉は卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)という2種類の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を合成・分泌します。卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH) は、エストロゲンとプロゲステロンの産生と分泌に作用します。

卵胞刺激ホルモン(FSH)

卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone:FSH) とは、下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌されるホルモンです。卵胞刺激ホルモン(FSH) は、卵巣の卵胞へ作用してその発育を促しますが、卵胞刺激ホルモン(FSH) のみでは成熟卵胞は形成されず、黄体化ホルモン(LH)と協同してはじめて成熟卵胞ができ、卵胞からの卵胞ホルモンの分泌も増加して排卵が起こります。

卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH)と協同で精巣に作用し、精細管の発育、造精細胞の分裂、増殖を促進して精子形成を促します。視床下部で分泌され、下垂体門脈を経て前葉に運搬されるFSH放出因子により分泌が調整されています。血中エストロゲン濃度が下がるとこの因子の分泌が増加するのです。

黄体化ホルモン(LH)

黄体化ホルモン(Luteinizing hormone:LH)は、卵胞刺激ホルモン(FSH) とともに下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌されるホルモンです。黄体化ホルモン(LH) は卵胞刺激ホルモン(FSH)との協同作用によって排卵の誘発や黄体を形成する働きがあります。また視床下部から分泌される黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)によって調節され、黄体化ホルモン(LH) の測定は視床下部ー下垂体ー性腺系の内分泌調節機構を知る上で重要です。また男性では睾丸の間質細胞を刺激して男性ホルモンの分泌促進、女性では排卵及びその後の黄体形成を促進します。

・卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH) の共同作用とは

ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の刺激により卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH) が分泌されます。卵胞刺激ホルモン(FSH) は、卵巣にある卵胞を刺激して排卵に至る主席卵胞を発育させ、同時に卵胞内の顆粒膜細胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌を促します。 エストロゲンは視床下部に働いてゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌をさらに促します。 ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の分泌亢進により脳下垂体・前葉から黄体化ホルモン(LH) が大量に放出され、その16~24時間後に排卵がおこります。

・性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とは、視床下部で産生され、下垂体前葉での卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH)の産生・分泌を促進させるホルモンです。性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH) は、卵胞期、黄体期にはパルス状に分泌されており、その頻度、振幅の変化により卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH)の分泌が調整されます。

排卵期にはサージ状に分泌され、LHサージが引き起こされます。そして、更年期の卵胞刺激ホルモン(FSH) と黄体化ホルモン(LH) の変化の中で、更年期の卵胞刺激ホルモン(FSH)は、エストロゲン濃度の低下によってネガティブフィードバック機構がはたらき増加がみられます。

この増加は閉経の約2年前からみられ、閉経の2年後にはプラトーに達します。そうして、黄体化ホルモン(LH)も卵胞刺激ホルモン(FSH)と同様にエストロゲン濃度の低下によってネガティブフィードバック機構がはたらき増加がみられますが、卵胞刺激ホルモン(FSH)の方が顕著になります。

ホルモン検査・エストラジオール:更年期障害の診断

エストラジオール(E2) は、卵巣機能の低下により、45歳を過ぎた頃から血中E2濃度は徐々に低下します。

ただし、その低下は直線的でなく、測定日によって変化がみられます。一般的に、閉経になるとE2が10~20pg/ml以下を示すと考えれています。更年期障害はエストロゲンの分泌量が減少してしまうことにより、実際の血液検査では血中のエストロゲンの一種であるエストラジオール(E2)濃度を測定します。

エストラジオール(E2)とは

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性ホルモンの一種でストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)が存在します。エストラジオール(E2)は、卵巣、副腎、および妊娠中の胎盤でエストラジオールが分泌され、子宮、卵管、膣、および乳房などの成長に役立っています。エストラジオール(E2)はエストロゲンの中で最も活性が強く、卵巣の顆粒膜細胞で産生され閉経前の主要エストロゲンで、ホルモン検査で通常測定される血中エストロゲンの主成分です。

エストラジオール(E2)検査の意義

エストラジオール検査は、血中のエストラジオールの量を測定する血液検査でE2検査ともいいます。エストラジオール(E2)は、エストロゲンを代表する成分で女性ホルモン検査では、血中のエストラジオール値を測るのが一般的です。エストラジオール(E2)値を測定することによって、卵巣機能の状態や更年期・閉経の可能性などを判断することができます。

エストラジオール(E2)の検査の目的

エストラジオール(E2)の検査は、基本的に卵巣により産生されます。無月経・無排卵症例を含む各症例における卵巣機能を直接反映する指標となります。また、卵巣の反応性評価のためにE2を測定します。不妊治療、排卵誘発剤を投与するときは、超音波断層法とともに、E2の迅速な測定法を用いることにより卵胞発育を評価しhCG投与時期を判断する指標となります。

閉経から更年期以後においては、特にRIAによる高感度測定法を用いると残存する卵巣機能を推定するためにFSHとともに有用です。更にホルモン補充療法としてE2貼付剤を使用中には、その吸収と効果を直接評価することが可能です。

エストラジオール(E2)更年期障害の診基準

すでに閉経している場合には、血液中のエストラジオールが10pg/mlで、なおかつ血液中の卵胞刺激ホルモンの値が40mlU/mlよりも高ければ、更年期障害だと診断されます。まだ閉経していない場合には、血液中のエストラジオールが50pg/mlよりも低く、卵胞刺激ホルモンの値が20mlU/mlよりも高い場合には卵巣機能が低下していて閉経が近いと診断できます。

女性ホルモンの測定値は、時期により変動するので数回測定して判定します。 エストラジオール(E2)の異常を示す場合は次のようになります。高値では、肝疾患、 エストロゲン産生腫瘍、 先天性副腎皮質過形成、 多胎妊娠、 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、エストロゲン産生腫瘍、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、先天性副腎皮質過形成、多胎妊娠、肝疾患(男性)などですが、低値の場合は、Sheehan症候群、 Chiari-Frommel症候群、 Simmonds症候群、 早発卵巣不全(POF)、 胎盤サルファターゼ欠損症、 胎盤機能不全、 低ゴナドトロピン症、 不振症、 閉経、 卵巣機能不全、 卵巣低形成、卵巣機能不全、卵巣低形成(無形成)、早発卵巣不全(POF)、閉経、低ゴナドトロピン症(Sheehan症候群,Simmonds症候群)、Chiari-Frommel症候群、神経性食欲などになります。

HRTの種類、及び投与方法

HRTには、いくつかの種類があります。あなたの年齢、閉経後の年数及び健康状態、薬剤の種類、黄体ホルモン併用の有無、投与経路、投与期間、投与量、等によりそれぞれ異なります。薬の安全性を高めるためには、高い効果を得ながら、リスクを最低限に抑える「最少有効量のHRT」を使うことが世界的なコンセンサスとなっています。当クリニックでは、全てに関して、リスクとベネフィットを評価し、それぞれの方に最も適した、HRTを受けていただいています。

HRTにより増加する可能性のある疾患について

静脈血栓塞栓症

高齢者、体脂肪の高い方は、HRT開始1年は注意が必要といわれています。経皮吸収エストロゲン製剤では、増加しない可能性が示唆されています。

虚血性脳卒中

高血圧の方で少し増えるかといわれていますが、低用量HRTではこのリスクは減少する可能性が示唆されています。

HRT処方の流れ

1.問診
更年期症状及びHRTのチェックシートを記入していただきます

2.処方前検査
・診察
・婦人科がん検診(子宮頚がん&体がん)、乳がん検診
・血液検査・血圧、体重測定
・HRTのリスクとベネフィットの説明。
・内診、経膣超音波検査にて子宮・卵巣の異常の有無をチェックいたします。
・HRTが可能(適応)か否かチェックいたします

3.HRT開始
検査結果に異常なければ、最も適したHRTを処方いたします。

4.投与中・経過チェック
更年期症状の変化、マイナートラブルの有無を確認いたします。

5.投与中・定期健診
・子宮がん検診(頚がん&体がん)、乳がん検診;年1回
・血液検査、血圧・体重測定:6か月に1回
   ここではHRTの継続について検討いたします。

※ 約6カ月以内に特定健康診査やドックにて検査済みの方は、検査結果をご持参下さい。場合によっては、代用可能です。

ホルモン補充療法(HRT)の治療期間|ホルモン補充療法はいつ始めていつ止れば良いのか

ホルモン補充療法(HRT)の始め時ですが、一応の目安は40代後半。といっても40代後半になったら一律にホルモン補充療法(HRT)を考えるべきだというこ
とではありません。女性ホルモンの分泌量の減少スピードにも当然、個人差があるからです。

ほとんどの場合、何かしら更年期障害に当てはまる体の不調や不定愁訴を感じてから婦人科や更年期外来に赴き、問診や検査をしたうえで更年期障害の原因となるホルモン(=エストロゲン)の値が規定の数値以下となった場合に医師の指導の元で治療を開始することになります。女性ホルモンの1つ、エストロゲン値が30~50pg/ml以下で、卵胞刺激ホルモン(FSH)が30mlU/ml以上という結果がでれば、ホルモン補充療法(HRT)の開始の目安になります。

平均すると40代後半になると、ホルモン補充療法(HRT)の治療範囲内の女性ホルモンの量になるということが多いということで、あくまで年齢や体の症状の有無ではなく、その人の女性ホルモンの値が基準となっているのです。ホルモン補充療法(HRT)を始めたら、どれくらい期間続けていくものなのか?ということについてはこれもまた個人差があります。ほとんどの人が何か不調や不定愁訴があってホルモン補充療法(HRT)をはじめるわけですが、とりあえず1か月~半年くらい飲んでみてその前後を比べて、調子がいいようなら続ける、変化がないようなら止めるということができるのがホルモン補充療法(HRT)の強みです。

HRTを適切に投与すれば2,3年、遅くても5年もすれば症状が軽快するのが普通で5年以上続けても体調がすぐれないということであればそれは更年期障害とは別のものが不調の原因だと考えられています。辛い症状が軽減し、日常生活に支障をきたすことなく快適に過ごすことができるようになれば、そのまま続ければいいですし、定期健診の都度、相談して薬の量を増
やしたり、減らしたりということもできます。

ホルモン補充療法(HRT)の止め時も医師と相談のうえで患者本人が決められます。投与期間に一律に制限があるわけではないので、5年経ったから、10年経ったから止めるというものでもありません。更年期障害の症状を緩和、軽減するだけでなく・・・・

● 骨密度の改善
● 心臓系疾患の予防
● 認知症の予防
● 糖尿病の発症率の低下
● 大腸ガンの発症率の低下
● コラーゲンの再生
● 皮脂量の増加

等々の女性の健康と美容に多くのメリットがあるものなので、その人の考え方次第で続けてもいいですし、薬の量を減らしたり、弱い薬に変えたりといったことができます。なお、ホルモン補充療法(HRT)は50代で始めた場合は上記のような健康・美容面でのメリットが多いといわれていますが、60歳を過ぎてからはメリットはほとんどないといわれています。閉経前後、エストロゲン値がホルモン補充療法(HRT)の治療範囲の値になってすぐ始めたほうが効果が高く、その後の老化も緩やかにできるようです。

更年期障害に有効なHRT 普及率わずか1.5%の理由

動悸、発疹、頭痛、めまい、肩こり、イライラ、関節痛、頻尿、うつ状態、記憶力・集中力の低下、膨満感、ドライアイ…。 更年期の女性に襲いかかる症状は、200種類以上と言われる。一般的に45~55歳までの期間、つまり、閉経前後の10年間が更年期だ(日本女性の平均閉経年齢は50~51歳)。東京女子医科大学附属成人医学センターの産婦人科医、東舘(ひがしだて)紀子さんによると、「更年期が近づくと、卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が著しく減少するのです。

なかでも、エストロゲンの急激な減少が女性の心や体にさまざまな影響を与え、多様な身体的、精神的症状が現れる」いわれています。 女性ホルモン(とりわけエストロゲン)は、月経、妊娠、出産との関連で考えられがちですが、「女性特有の営みをコントロールするだけでなく、女性の全身の健康を守る上で大きな役割を果たしている」「骨の新陳代謝促進」「脂質代謝を改善」「自律神経のバランス維持」「血管に直接作用して動脈硬化を予防」「皮膚の潤い保持」「脳の活性化」などはその一例なのです。 

そのため、エストロゲンが減少すると、女性の体は、長い間自分の体を守ってくれた強固な自然の防壁が取り除かれたような状態になる。また、この時期は、仕事、親の介護、子どもの自立、経済的問題などによって、ストレスを抱え込みがちなのす。更年期の不安定な体の状態はストレスの影響も受けやすいのです。 

更年期障害の治療法は、ホルモン補充療法(HRT)が世界的に主流だ。一人に複数の症状が出ることがよくあるが、そうした症状を個別に治療していくのは、治療をする側・受ける側どちらにとっても大変で、時間もコストもかかる。HRTは、多くの症状に対応するので、閉経前後の女性の更年期症状の治療には有効性が高いと言われています。 

ところが、HRTの普及率を見ると、欧米諸国では40%を超えるが、日本はわずか1.5%。台湾、韓国よりも低いのです。その背景には、HRTが乳がんを引き起こすのではないかという不安があるのかもしれないのです。

しかし、この10年ほどでHRTと乳がん罹患率に関する研究が進み、「5年以内では乳がんのリスクはない」が、世界の基本的認識となっている。日本女性医学学会と日本産科婦人科学会が刊行した『ホルモン補充療法ガイドライン』(2012年度版)でも、HRTは、5年以内では乳がんのリスクは上昇せず、また、黄体ホルモンを併用すれば、子宮体がんのリスクも上昇しない。黄体ホルモンが、エストロゲンによる子宮内膜増殖を防ぐからなのです。

ただ、HRTを5年以上続けた場合、乳がんのリスクはわずかに上がるため、定期的な乳がん検査を受ける必要があります。HRTに不安を感じる人には、まず1カ月エストロゲンを試すことを勧めている。1カ月試せば、効果があるかどうかわかります。その時点で、継続するかどうかを決めればよいのです。

エストロゲンは3カ月以内であれば、単独治療でも副作用の心配はないからなのです。 ただ、HRTはすべての人が受けられるわけではありません。乳がん、子宮体がん、脳卒中、重度の症状のある肝疾患の経験者などは、持病を悪化させるリスクが高いためHRTは受けられないのです。

また、ガイドラインではHRTの開始年齢は60歳以下となっている。60歳を過ぎると、すでに始まっている血管の老化などのためにさまざまなリスクが高まるからなのです。